医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Assessment of a massive open online course (MOOC) incorporating interactive simulation videos on residents' knowledge retention regarding mechanical ventilation (BMC Med Educ 2021)

Pham T, Beloncle F, Piquilloud L, Ehrmann S, Roux D, Dessap AM, Carteaux G. Assessment of a massive open online course (MOOC) incorporating interactive simulation videos on residents' knowledge retention regarding mechanical ventilation. BMC Med Educ. 2021;21:595.

背景:医療従事者、特にレジデントにとって、呼吸生理学と機械的換気を理解することは大きな課題である。フランス語圏の専門家からなるチームは、機械的換気の知識と技術を向上させることを目的として、シミュレーションベースのインタラクティブなビデオとシリアスゲームを取り入れた革新的なMOOCを開発した。我々の目的は、このMOOCで提示された主要な概念に関する長期的な知識の保持を評価することである。

方法:MOOC 2020の冬期セッションに登録したフランス人レジデントを対象に、2段階の調査を実施した。第1段階では、受講前の学生の呼吸生理学と機械的換気に関する知識を、5項目の多肢選択問題20問を用いて、0~100点の範囲で評価した。第2段階では、同じ学生がコース修了から6カ月後に同じテスト(問題をシャッフルしたもの)に回答した。コース前とコース後のスコアを比較することで、このMOOCが学生の知識保持に与えた影響を評価した。

結果:本研究への参加に同意した102名のレジデントのうち、80名がコースを修了し、コース前の平均±SDスコアは76.0±8.0であった。また、51名が2回目を修了し、コース後のスコアはベースラインのものよりも有意に高かった(83.1±7.3 vs. 77.5±7.6, p < 0.001)。1回目と2回目のスコアは、回答者の専門分野やレジデントの年数を比較しても差はなかった。個々の質問の大部分(96%)において、コース前の評価よりもコース後の評価の方が成功率が高かった。

結論:シミュレーションベースの動画を取り入れた革新的なMOOCは、特に呼吸生理学と換気モードの分野で、機械的換気の基本的な知識と技術をレジデントに教えるのに有効であった。また、コース修了後6カ月後の評価では、コース前のスコアに比べて高いスコアが得られ、長期的な知識の保持に効果があることが確認された。