医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"Value my culture, value me": a case for culturally relevant mentoring in medical education and academic medicine (BMC Med Educ 2023)

Sotto-Santiago S, Mac J, Genao I. "Value my culture, value me": a case for culturally relevant mentoring in medical education and academic medicine. BMC Med Educ. 2023;23:229.

背景:メンタープログラムは、多様性を高め、歴史的に不利な立場にあるグループの学術医療への参加を促進するために用いられるメカニズムの一つである。しかし、メンタリング体験や、文化的に関連した概念や視点が、多様な学生、研修生、教員の成功にどのように影響するかについては、より多くの知識が必要である。このケーススタディでは、高等教育における学生の経験を検証するCulturally Engaging Campus Environments(CECE)モデルを利用した。このモデルを用いて、黒人とラテン系の教員のメンタリング体験を検証し、医学教育の連続体に対する実践的な示唆を与えることができた。

方法:我々の研究アプローチは、現象に影響を与える文脈を深く理解することを可能にする単一ケーススタディに由来する質的探究によって最もよく理解される。現象学は、科学と医療専門職の理解に貢献するのに適している。選考基準は、黒人またはラテン系と自認する人であり、すべての教員の階級と職歴を含むものである。この分析は、平均3時間の半構造化インタビュー8件に焦点をあてている。

結果:知見は文化的関連性の領域中心であり、参加者の語りから、メンタリングと文化的親近感、文化的関連知識、文化的奉仕と関与、文化的妥当性との関連性が明らかにされた。

結論:文化的関連性の指標を用いることで、歴史的に代表的でない研修生や教員を全体的に支援するためのメンタリングプログラムの構築と進化を促すことができる。また、メンターの育成や、メンタリングプロセスに文化的謙虚さを取り入れることを支持することにも意味がある。実践における示唆は、文化的関連性のあるメンタリング(CRM)の新しい枠組みの可能性を示している。このフレームワークを通じて、インクルーシブな学習環境とキャリア開発を強化・促進することを目指している。