医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The Inconspicuous Learner Handover: An Exploratory Study of U.S. Emergency Medicine Program Directors' Perceptions of Learner Handovers from Medical School to Residency (Teach Learn Med 2023)

Caretta-Weyer HA, Park YS, Tekian A, Sebok-Syer SS. The Inconspicuous Learner Handover: An Exploratory Study of U.S. Emergency Medicine Program Directors' Perceptions of Learner Handovers from Medical School to Residency. Teach Learn Med. 2023 Feb 15:1-9. Epub ahead of print.

背景:コンピテンシーベースの医学教育の中心は、研修と実践のシームレスな発展的連続性の必要性である。現在、研修生は卒前医学教育(UME)から卒後医学教育(GME)への移行において、大きな不連続性を経験している。学習者の引き継ぎは、この移行をスムーズにすることを目的としているが、GMEの観点からこれがどの程度うまく機能しているかについてはほとんど知られていない。本研究では、予備的なevidenceを収集するため、米国のプログラムディレクター(PDs)の視点から、UMEからGMEへの学習者の引き継ぎについて調査した。

方法:探索的質的方法論を用いて、2020年10月から11月にかけて、米国内の救急医学PDs12名に対して半構造化面接を実施した。UMEからGMEへの学習者の引き継ぎについて、参加者に現在の認識を述べてもらった。そして、帰納的アプローチによるテーマ分析を行った。

結果:その結果、2つの主要なテーマが確認された:UMEからGMEへの学習者引き継ぎを成功させるための目立たない学習者引継ぎと障壁。PDsは、学習者引き継ぎの現状を「存在しない」と表現しながらも、UMEからGMEへ情報が伝達されていることを認めていた。参加者はまた、UMEからGMEへの学習者ハンドオーバーを成功させる妨げとなる主要な課題も強調した。これには、相反する期待、信頼と透明性の問題、そして実際に引き渡すための評価データの不足が含まれていた。

結論:PDsは、学習者引き継ぎが目立たないことを強調し、UMEからGMEへの移行において、評価情報があるべき形で共有されていないことを示唆している。学習者の引渡しに関する問題は、UMEとGMEの間の信頼性、透明性、および明確なコミュニケーションの欠如を示すものである。我々の発見は、国の組織が成長志向の評価データを送信するための統一されたアプローチを確立し、UMEからGMEへの透明な学習者引き継ぎを正式に行う方法に情報を提供することができる。