医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"Come and share your story and make everyone cry": complicating service user educator storytelling in mental health professional education (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

LeBlanc-Omstead S, Kinsella EA. "Come and share your story and make everyone cry": complicating service user educator storytelling in mental health professional education. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Sep 8. Epub ahead of print.

背景:メンタルヘルスやソーシャルケアのサービスを利用したことのある人(サービスユーザー教育者)を招き、医療専門職の学習者や学生に体験談を語ってもらうことは、医療専門職教育において比較的一般的になってきている。

方法:本論文では、サービス利用者参加型(SUI; service user involvement)の実践に関するポストクリティカルなエスノグラフィ研究において、サービス利用者教育者と医療専門職教育者の双方のアカウントから、医療専門職教育への知識貢献の概念化を反射的に探った結果について報告する。この研究は、サービス利用者を医療専門職教育の場に巻き込むことに内在するリスク、課題、複雑性をめぐる精査が近年求められていることに対応して実施された。ストーリー/テリング」は、我々の分析において顕著な包括的構成要素として認識され、SUIに対する主要なツールまたはアプローチとしてのストーリーテリングに関連して経験する、より微妙な緊張と複雑さの両方に関する参加者の報告に焦点を当てた。

結果:我々の発見は、これらの複雑さや緊張に関連する、3つの異なる、しかし重なり合うテーマとして提示される:(a)実行的期待、(b)ストーリーテリングの見えない仕事、(c)サービスユーザー教育者の知識に対する幅広い概念化である。

結論:我々の発見と議論は、医療専門職教育においてサービス利用者教育者の物語を無批判に求めることを問題視し、物語を共有するよう求められる人々の感情的・認識的労働をより考慮する必要性を強調する一連の文献に貢献するものである。本論文は、ストーリーテリングの実践を通して、サービス利用者教育者を医療専門家教育に関与させようとする医療専門家教育者のための生成的勧告と反射的促しで締めくくられる。