医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Validation of the World Health Organization Well-Being Index (WHO-5) among medical educators in Hong Kong: a confirmatory factor analysis (Med Educ Online 2022)

Chan L, Liu RKW, Lam TP, Chen JY, Tipoe GL, Ganotice FA. Validation of the World Health Organization Well-Being Index (WHO-5) among medical educators in Hong Kong: a confirmatory factor analysis. Med Educ Online. 2022;27:2044635.

背景:COVID-19パンデミックにより、以前からあった医師のバーンアウトの世界的危機が悪化している。医師、特に医学教育者のwell-beingは、教育者が自分自身や学習者の幸福に影響を与えることができるため、注目されるようになった。この構成要素を測定することは、職場や学習環境におけるwell-beingを促進するための重要な一歩となる。5項目のWorld Health Organization Well-Being Index (WHO-5)は、well-beingを評価するために、世界中の様々な集団で検証されてきた。しかし、香港を含むアジアの医学教育関係者の間では、そのpsychometric acceptabilityは未解明である。本研究では、香港の医学教育関係者を対象に、WHO-5の妥当性を評価した。

方法:435名の医学教育者のデータを用い、ネットワーク内アプローチ(確証的因子分析;CFA)とネットワーク間アプローチ(相関と回帰)を組み合わせた尺度の妥当性検証を行った。

結果:CFAの結果、データはWHO-5モデルに適合し、構造的妥当性が示唆された。平均値の比較の結果、男女差はなかったが、年齢や職業的背景で比較すると、有意差が見られた。レジリエンスはWHO-5で測定されるwell-beingを予測し、構成規準妥当性を示唆した。

結論:本研究で得られた知見は、WHO-5の妥当性を、本研究で調査した香港の医学教育者にも拡大した。これにより、今後のwell-beingプログラムの効果を評価する際に、彼らのwell-beingを評価することが可能となった。