Fisher J, Rothwell C. Detached or devotee? Medical students and research. Clin Teach. 2022 Feb 16. Epub ahead of print.
背景:医学生は医学教育研究に頻繁に参加するが、その手軽さゆえに強制に弱い場合がある。我々は、ピエール・ブルデューの実践理論 (theory of practice)に基づき、医学生が医学教育研究に参加する際の経験を現象学的に調査した。research questionは以下の通りである。医学生は医学教育研究のなかでの自分の役割をどのように認識しているのか?なぜ医学生は医学教育研究に参加するのか?医学生は医学教育研究に参加することで、どのような点が有益だと考えているのか?
方法:参加者は、過去に医学教育研究に参加したことのあるニューカッスル大学MBBSの3-5年生である。8名の参加者を募集し、全員がインフォームド・コンセントを書面で提出した。データ収集は、半構造化電話インタビューによって行われた。得られた結果は、ブルデューの実践理論を用いて解釈された。テーマ分析は、一貫した比較をしながら、繰り返し行われた。インタビュースケジュールは、5回のインタビューの後、繰り返し出てくる興味あるテーマの探求を容易にするために修正された。
結果:学生は、貢献することを楽しみ、その後、well-beingを感じていたが、自分たちの役割について不確実性があり、自分たちを「モルモット (guinea pigs)」と考えている者もいた。予想外だったのは、学生が医学教育研究を立案・実施した経験があり、それが研究参加に影響を与えていることである。特に試験期間中は、「研究疲れ」という認識があった。不参加はまれであったが、学生は、資本の一形態である先輩との価値ある関係を維持したいと考え、「デフォルト」で参加することがあった。
結論:これらの知見は、医学教育研究における学生の経験について、地域ごとに考察することを可能にした。同意のプロセスを強化するために、ローカルなプロセスが実施され、適応された。本研究で得られた知見は、医学教育関係者に、学生が参加するプロジェクトの募集プロセスについて考察するよう促すとともに、学生の自律性を高めるための戦略を検討するよう促すものである。