医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

An Interpretive Phenomenological Analysis of paediatric cardiology trainee experiences during Covid-19 (Med Educ 2022)

Quyam S, Abumehdi M. An Interpretive Phenomenological Analysis of paediatric cardiology trainee experiences during Covid-19. Med Educ. 2022 Jan 27. Epub ahead of print.

背景:COVID-19パンデミック時の医療研修は、急速かつ反復的なシステムの変化のなかで、個人に特別な要求を課している。この時期の研修生の同時代の生活体験は、主に調査によって検討されてきた。本研究の目的は、パンデミック時の研修生としての経験について豊かな記述を行い、wellnessに関する概念的理解を深めることである。このことは、パンデミックの当面のイノベーションの検討から、長期的な調整へと移行する際に、関連性を持つものである。

方法:解釈的現象学的分析(Interpretative Phenomenological Analysis; IPA)を用いて、パンデミック時の小児循環器科の研修生の経験を調査した。5名の研修生を合目的的に募集した。最初の半構造化インタビューはパンデミックの第一波の間に行われ、フォローアップインタビューは第二波の間に行われた。

結果:データには、3つの逆説的なテーマが認められた:つながりと孤立、混乱と停滞、脆弱性と強さ。

結論:サービス提供、トレーニング、家庭生活といった日常的な活動の中断がパンデミックに蔓延し、停滞として経験された。テクノロジーは、訓練生と仕事の内容とのつながりを維持するが、その文脈から孤立した感覚を残す。脆弱性は、病気、不確実性、リスクの認識との相互作用から生じ、思いやりとレジリエンスの発見から引き出される強さと対照的であった。パンデミックの初期段階を脱した研修生をサポートするためには、wellnessをどのように理解し対処するか、また、組織的・体系的な要因がその保護にどのように貢献しているかを見直すことが必要である。参加者は、wellnessが損なわれたさまざまな状態を説明したが、脆弱性の側面が常態化することも経験した。我々は、研修生がこのような空間の中で、成長とレジリエンスの発達の機会を見出すことができたと推論している。