医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Quantifying teaching quality in medical education: The impact of learning gain calculation (Med Educ 2021)

Westphale S, Backhaus J, König S. Quantifying teaching quality in medical education: The impact of learning gain calculation. Med Educ. 2021 Nov 12. Epub ahead of print.

背景:学生のパフォーマンスは教育の質を映す鏡である。pre-/post-testのデザインは、介入の効果を比較するための実用的なアプローチを可能にする。しかし、現在の知識獲得スコアの計算には、様々な程度の歪みが生じている。ここでは、linear weighting coefficientを用いて、結果の解釈の偏りを減らすための新しい指標を紹介する。

方法:本研究では、過去に実施された介入研究 (n = 180)で得られた、pre-/post-test designを採用した2つのデータセット(one simulated and the other empirical from a previous intervention study)を用いて、いくつかの一般的なスコア(raw and relative gain scores)と本研究の新しい手法を比較対照した。

結果:一般的なスコアの結果は明らかに異なり、事前テストのスコアに大きく依存していることがわかった。新指標のみが、知識ベースラインとの直線的な関係を示し、上下の偏りが少なく、マイナスの学習効果を計算するのに適していることがわかった。また、経験的なデータセットを用いて、新しい手法は、教育フォーマットと学習者の特性の特定のサブグループとの相互作用効果を確認した。

結論:本研究では、線形変換に基づく介入方法を意味のある形で比較することができる、新しい重み付け指標を導入した。この方法は、教育の質と効果を反映する重要な要素として、テストの成績の計算を学習の結果と密接に関連させるための基礎となる。この手法を定期的に使用することで、教育活動とその成果の透明性が向上し、学生の知識と技能の習得状況を総合的に判断することができるようになり、またカリキュラムの概念を発展・強化するための貴重な情報を提供することができる。