医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Longitudinal Milestone Assessment Extending Through Subspecialty Training: The Relationship Between ACGME Internal Medicine Residency Milestones and Subsequent Pulmonary and Critical Care Fellowship Milestones (Acad Med 2021)

Heath JK, Wang T, Santhosh L, Denson JL, Holmboe E, Yamakazi K, Clay AS, Carlos WG. Longitudinal Milestone Assessment Extending Through Subspecialty Training: The Relationship Between ACGME Internal Medicine Residency Milestones and Subsequent Pulmonary and Critical Care Fellowship Milestones. Acad Med. 2021 May 18. Epub ahead of print.

背景:ACGMEのマイルストーンは、2015年に医学サブスペシャルティ全体に導入された。マイルストーンは、フェローシップで個別の学習計画を早期に実施する機会を提供する可能性のある縦断的な評価ツールとして提案されたが、サブスペシャルティのフェローシップの評価と、それ以前のレジデントの評価との関連性は依然として不明である。本研究では、内科(IM)レジデントのマイルストーンと肺・クリティカルケア内科(PCCM)フェローシップマイルストーンとの関連性を評価することを目的とした。

方法:2017~2018年にACGME認定のPCCMフェローシッププログラムに登録したすべてのPCCM研修生のうち、2014~2017年にIMマイルストーンの事前評価が完了していた者を対象に、多施設共同レトロスペクティブコホート分析を行った。IMマイルストーンとPCCMマイルストーンの間で共有されたアンカーに基づいて、プロフェッショナリズムと対人関係・コミュニケーションスキル(ICS)のみを対象とした。一般化推定方程式モデルを用いて、フェローシップ初年度のPCCMマイルストーン <= 2.5と、対応するIMサブコンピテンシーとの関連性を、プログラムごとに入れ子にして各時点で評価した。統計的有意性は、ロジスティック回帰を用いて判断した。

結果:本研究では、354名のPCCMフェローを対象とした。ICSとプロフェッショナリズムのサブコンピテンシーの両方において、IMの評価が高いフェローは、フェローシップ1年目にPCCM評価2.5以下を取得する可能性が低かった。各ICSサブコンピテンシーは、様々なレジデント期間において、将来のフェローシップ中断と有意に関連していた(ICS01:β=-0.67、P=0.003;ICS02:β=-0.70、P=0.001;ICS03:β=-0.60、P=0.004)。PROF03についても同様の関連性が認められた(β=-0.57、P=0.007)。

結論:IMのマイルストーン評価と、PCCMフェローシップ期間中のマイルストーン評価の低さの間には関連があることが明らかになった。また、プロフェッショナリズムとICSのサブコンピテンシーの評価が低かったIM研修生は、PCCMフェローシップの1年目に評価が2.5以下になる可能性が高かった。このことは、PCCMフェローシップの初期に教育上のギャップをターゲットにするために、縦断的なマイルストーンを使用する可能性があることを示している。