Williams BW, Welindt D, Hafferty FW, Stumps A, Flanders P, Williams MV. Adverse Childhood Experiences in Trainees and Physicians With Professionalism Lapses: Implications for Medical Education and Remediation. Acad Med. 2021;96:736-743.
背景：アンプロフェッショナルな行動は、関与しない、不誠実および/または無礼な行動、自己認識不足などが含まれるが、medical traineeやpracticing physicianに見られることがある。著者らの経験では、これらのタイプの行動は、幼少期の有害な経験 (adverse childhood experiences (ACEs))にさらされたことと関連している。このような重なりを考慮して、著者らは、職務適性評価のために紹介された研修生と医師におけるACEsの割合と、経験したACEsの種類と紹介された理由の間のパターンを調査した。
方法：2013年から2018年にかけて、プロフェッショナリズムの問題の評価および/または改善のためにMidwesternのセンターに紹介された、米国の研修生および医師の123例の最終サンプルを作成した。含まれるプロフェッショナリズムの失策 (professionalism lapse)は、境界線違反、破壊的行動、潜在的な物質使用障害の懸念という3つのカテゴリーに分類された。参加者全員が、ACEへの曝露に関する質問を含む心理社会的発達インタビューを完了した。報告されたACEsの全体的な割合と、報告されたACEsの種類を調査した。
結果：86人 (70％)の参加者が少なくとも1個のACEsを報告し、27人 (22％)が4個以上のACEsを報告した。全国のデータと比較すると、1個以上のACEsの発生率が有意に高く、0個のACEsの発生率が低い結果となった。紹介の理由を予測したACEsは、身体的または性的虐待、自分が必要とされていないまたは愛されていないと感じること、母親または継母の虐待を目撃すること、養育者の薬物使用であった。
結論：このサンプルでは、ACEへの曝露がプロフェッショナリズムの問題と関連していた。プロフェッショナリズムに問題があり、ACEsにさらされた人を改善することは、ストレス性の刺激に対する反応の高まり、協力や信頼関係の困難さ、自己効力感の低下によって複雑になる可能性がある。トラウマを考慮した医学教育のアプローチを採用することで、トラウマの影響を受けた人々がコントロールとエンパワーメントの感覚を取り戻すことができるかもしれない。本研究で得られた知見は、センチネルイベントの前に問題行動や再犯のリスクがある人を特定するための有用な予測因子となる可能性がある。
