医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Predicting failure before it happens: A 5-year, 1042 participant prospective study (Med Teach 2021)

Dewar A, Hope D, Jaap A, Cameron H. Predicting failure before it happens: A 5-year, 1042 participant prospective study. Med Teach. 2021 Apr 12:1-5. Epub ahead of print.

背景:評価に失敗した学生は、精神的苦痛や学業の中止など、否定的な結果を招く危険性がある。不合格のリスクがある学生を、彼らが困難を経験する前に特定することで、彼らの結果をかなり改善できるかもしれない。

方法:前向きデザインを用いて、1年目の最初の6週間にわたり、エンゲージメントの簡単な測定値(形成的評価のスコア、日常的な管理タスクの遵守、出席率)を収集した。これらの指標を組み合わせてエンゲージメントスコアを作成し、メディカルスクール入学後14週間後に行われる総括試験の成績を予測するのに用いた。このプロジェクトは5つのコホートで繰り返され、合計1042人のサンプルサイズとなった。

結果:単純線形回帰により、エンゲージメントが成績を予測することが示された(R2adj = 0.03, F(1,1040) = 90.09, p < 0.001)が、効果の大きさは小さかった。不合格者の半数以上は、エンゲージメントスコアが下位2階級に位置していた。

結論:リスクのある医学生は、日常的に収集され簡単に分析できるデータを用いて、医学部入学直後にある程度の精度で特定することができ、学生を支援するためのオーダーメイドの介入が可能である。ここで提供されたツールキットは、同等の教育環境であれば予測モデルを再現することができる。医学教育者は、早期発見の利点と、学生のデータを使用することによる潜在的な侵襲性とのバランスをどのように評価すべきかを検討しなければならない。