医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Incorporating aspects of programmatic assessment into examinations: Aggregating rich information to inform decision-making (Med Teach 2021)

Pearce J, Reid K, Chiavaroli N, Hyam D. Incorporating aspects of programmatic assessment into examinations: Aggregating rich information to inform decision-making. Med Teach. 2021 Feb 8:1-8. Epub ahead of print.

背景:評価へのプログラム的アプローチは、進捗状況の決定に情報を提供するために、受験者に関する「豊富な情報」を収集し、集約することを必要とする。しかしながら、このようなアプローチが実際にどのように実施されるかについてのガイダンスはほとんどない。我々は、専門医大における委員会の意思決定に情報提供するために、評価形式を超えた豊富な情報を集約するアプローチについて、記述した。

方法:すべての試験の各項目 (n = 272)を、15個のカリキュラムモジュールと7個の習熟度に設計した。各項目の期待されるパフォーマンス基準を詳細に示したルーブリックを用いて、6段階の総合的な評価尺度を作成した。試験官はこの評価尺度を用いて、各項目の判定を行い、各受験者の豊富なパフォーマンスデータを作成した。

結果:モジュールと習熟度のパターンを色分けした「モザイク」が、評価の頻度分布とともに生成された。これらのデータによって、試験官は、受験者のパフォーマンスを簡単に可視化し、ボーダーラインの受験者の審議に情報を提供することができた。プロセス全体を通じて評価情報の豊富さを維持することで、委員会の意思決定が容易になった。さらに、データは、受験者への詳細で有益なフィードバックを容易にした。

結論:本研究は、情報を集約する新しいアプローチを用いて高得点試験にプログラム的思考の側面を取り入れることが、プログラム評価を改革するうえで、有用な第一歩であることを示した。