医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"I just stand around and look friendly" - Comparing medical students' and physicians' ward round scripts (Med Teach 2021)

März E, Wessels I, Kollar I, Fischer MR. "I just stand around and look friendly" - Comparing medical students' and physicians' ward round scripts. Med Teach. 2021 Feb 11:1-7. Epub ahead of print.

背景:病棟ラウンドは医学生にとって重要な学習機会であるにも関わらず、学生や医師の好ましくない病棟回診スクリプトが学習の妨げになる可能性がある。本研究では、学生と医師の病棟ラウンドのスクリプトについて、(a) 病棟ラウンドの内容の焦点、(b) 知識構築のための可能性について、検討した。

方法:専門性の異なるステージの内科の学生・医師50名を対象に、定型的なインタビューを実施した。参加者が病棟ラウンドで典型的だとラベル付けした活動を、その内容の焦点と、知識構築への可能性に関して、コード化した。

結果:内容の焦点については、特にresidentは、主に患者ケアに関連した活動を挙げていた。指導・学習関連の活動は非常にまれだったが、学生や経験豊富な医師の方がより頻繁に言及していた。知識構築の可能性については、病棟回診での典型的な活動 (=知識構築の可能性が低い)を、特に自分の役割について述べる場合には、より受動的な活動とみなしていた。

結論:医学生は、病棟ラウンドを貴重な学習機会と考えるようになるように支援すべきである。residentは、例えば病棟ラウンド中に学生の積極的な参加を求めるなど、自分たちの教育責任を真剣に考えるように求められるべきである。

個人的所感:病棟回診は、医学生・医師が皆経験している活動ですし、目のつけどころが素晴らしく、是非見習いたいリサーチです。