医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Varying perceptions of the role of “nurse as teacher” for medical trainees: A qualitative study (Perspect Med Educ 2020)

Doja A, Lavin Venegas C, Clarkin C, Scowcroft K, Ashton G, Hopkins L, Bould MD, Writer H, Posner G. Varying perceptions of the role of “nurse as teacher” for medical trainees: A qualitative study. Perspect Med Educ. 2020 Dec 3. Epub ahead of print.

背景:正規のカリキュラムを補完するために必要不可欠な,非公式カリキュラムは,教室の外での学習を通じて,医学研修生に提供される.本研究では,産婦人科の非公式カリキュラムにおける医学研修生教育の看護師の介在する部分だけでなく,医学研修生教育において果たしている役割についての看護師自身の認識についても探索した.

方法:教育と学習の相互作用を記録するために,第三次医療施設の分娩室(BU)において,自然主義的な非参加者観察(40時間)が行われた.観察から得られた洞察は,その後のBUの看護師(n = 10)との半構造化インタビューと,産婦人科ローテーションを修了した医学生3年生 (n = 10)とのフォーカスグループディスカッションに情報を提供した.テーマ分析を行った.

結果:看護師を媒介した教育に対する考え方は,看護師と研修医の間でかなりこなっていた.看護師は両軍ともに門番や患者のadvocateとして広く認知されていたが,研修生はこの役割が学習に影響を与えていると認識されることがあった.関心と関与は教育の媒介物として指摘されており,教育の機会へのアクセスが向上したことが,開放的で学習への熱意を示した研修生から報告された.看護師主導の教育はしばしば学習者のレベルに合わせて行われ,看護師は手技の知識やハードスキル,ソフトスキル(ベッドサイドでのマナーなど),ベッドサイドの実践から得られる臨床的洞察を共有するのに適した立場にあると感じていた.

結論:看護師は医学研修生の教育に重要な役割を果たしている.しかし,この役割が実際にどのように実践されているかについては,意見の相違が指摘された.BU看護師が価値のある教育リソースを提供していることを考慮すると,専門職間の共同学習と非公式カリキュラムのなかでのこの役割の実現にもっと力点を置くべきである.

個人的所感:確かに他職種から教わることは多いなぁ…と思いながら,このリサーチを眺めていました.いい着眼点です.