医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"The faculty was really hearing what I had to say and really validating who I was": Learning from validation theory to support students of colour in undergraduate medical education (Med Educ 2024)

Blalock AE, Ozdemir S, Garcia AJ, Lyons EG. "The faculty was really hearing what I had to say and really validating who I was": Learning from validation theory to support students of colour in undergraduate medical education. Med Educ. 2024 Feb 20. Epub ahead of print.

背景:有色人種の医学生は、メディカルスクールという学習環境における有害な規範や文化を反映し、卒前教育期間中に多くの困難に直面する。有色人種の医学生にとって否定的な経験にもかかわらず、教職員からの支援や励ましのエピソードがある。この資産に基づく質的研究では、レンドンの検証理論 (Rendón's Validation Theory)を用いて、地域に根ざした医科大学の教員が有色人種の医学生を支援する具体的な方法を明らかにし、それによってメディカルスクールにおける構造的不公正に挑戦する。

方法:本研究は、参加者を研究者が学ぶことのできる正当な知識者とみなす、a humanising and asset-based perspectiveに立脚している。有色人種の医学生24名と、学生から支援者であると認識された教員14名が5回のフォーカスグループに参加し、参加者はメディカルスクールの卒前時代にどのように認められ、支援されたと感じたかを共有した。帰納的なオープンコーディングに続いて、検証理論(学生の個人的・学問的意欲を育むうえで、外部からのvalidationがいかに必要な要素であるかを説明する理論)およびメディカルスクールの背景に関する文献を用いた演繹的なテーマコーディングにより、3つの知見を得た。

結果:3つの主要なテーマは、教員が学生を検証する方法の例を示している。第一に、参加者は、学習の社会的、歴史的、文化的背景を理解するために、アイデンティティと経験を認めることの重要性を指摘した。第二に、参加者は、賞賛を与え、専門的な期待に反して努力することを奨励することの価値を強調した。最後に、参加者は上下関係をなくすために、個人的な関係を育むことの親密さを共有した。

結論:本研究は、有色人種の学生をサポートするために教員ができる教育実践について、具体的な指針を提供するものである。メディカルスクールはより学生中心のアプローチに移行しようとしているため、有色人種の学生に対する承認感情を促進することは、メディカルスクールでの学びを通して医学生を確実にサポートするための教育・学習における重要な実践となりうる。