医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Which social accountability competencies make a good physician? A qualitative investigation of the patient perspective on social accountability (Med Teach 2024)

Oudbier J, Boerboom T, Peerdeman S, Suurmond J. Which social accountability competencies make a good physician? A qualitative investigation of the patient perspective on social accountability. Med Teach. 2024 Jan 29:1-7. Epub ahead of print.

背景:社会的説明責任 (social accountability)は医療教育における新たなテーマである。これまでの文献では、この領域で医師が発揮すべきと考えるコンピテンシーに関する患者の視点は乏しい。本研究の目的は、社会的説明責任という領域において、患者による医師が示すべきコンピテンシーについて洞察することである。

方法:探索的質的研究の一環として、オランダの患者18名とのオンライン半構造化面接を実施した。参加者のリクルートには、Snowballing and convenience sampling techniquesを用いた。インタビューの質的分析にはグラウンデッド・セオリー法を用いた。

結果:社会的説明責任ののドメインとして医師の5つのコンピテンシーが同定された:(1) 患者の特性を考慮し、個々の患者に合わせたケアを行う、(2) 広範なコミュニティに配慮する、(3) 個々の患者へのケアと社会への配慮のバランスをとる、(4) 医療システム内のナビゲーションにおいて患者にガイダンスを提供する、(5) 気候への影響を考慮する。これらのコンピテンシーの重要性は専門性によって異なると患者は述べている。

結論:策定されたコンピテンシーは、社会的説明責任に重点を置いた医学教育を、患者の期待により合致させるために用いることができる。