Konopasky A, O'Brien BC, Artino AR Jr, Driessen EW, Watling CJ, Maggio LA. I, We, and They: A Linguistic and Narrative Exploration of the Authorship Process. Med Educ. 2021 Nov 18. Epub ahead of print.
背景:オーサーシップは学術界において重要な役割を果たしているが、研究によれば、多くの著者が名誉著者のような疑わしい行為を行っている。このことは、オーサーシップが論争の場であり、個人がエージェンシーを行使しなければならないことを示唆している。エージェンシーとは、コンテクストに埋め込まれた動的かつ創発的なプロセスであり、公表された基準、学問分野、非公式な慣行の間で矛盾する可能性のある規範を交渉しなければならない。本研究では、著者がオーサーシップを決定する際に、自分自身や他者のエージェンシーをどのように語るのかを探る。
方法:最近発表された複数著者による論文のオーサーシップ決定に関する24人の第一著者の証言を、混合法を用いて分析した。著者は、米国とカナダの教育機関に所属する医療専門職教育(HPE)の女性14名と男性10名(助教10名、准教授6名、教授8名)であった。分析は3つの段階で行われた。(1)エージェンシーとの関連が示された文法構造の言語分析(主節の主語と動詞の種類のコーディング)、(2)各アカウントの「モラル」と「タイトル」を作成するためのナラティブ分析、(3)(1)と(2)の弁証法的統合。
結果:記述統計学的には、女性参加者は男性よりも主語と物質的な動詞(すること)を多く使い、教授は准教授や助教よりも関係的な動詞(あること、持っていること)を多く使っていることが示唆された。エージェンシーのタイプとしては、リソースや作業をチームメンバーにどのように分散させるかに焦点を当てた分散型(n = 15人)、筆頭著者の行動に焦点を当てた個人型(n = 6人)、グループの行動に焦点を当てた共同型(n = 3人)の3つのタイプが語られた。これら3つのタイプのエージェンシーには、サポート型、コンテスタント型、タスクベース型、ネゴシエーション型といった4つのサブタイプがあった。
結論:本研究は、著者がオーサーシップを決定する際に語られるエージェンシーの複雑さと創発性に注目したものである。公表されている基準は、オーサーシップゲームのルールという出発点を提供しているが、本論文は、ゲームへの取り組みと語りのアプローチという次のステップを提供している。