医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

'It's going to change the way we train': Qualitative evaluation of a transformative faculty development workshop (Perspect Med Educ 2021)

Ong CCP, Foo YY, Chiu FY, Nestel D. 'It's going to change the way we train': Qualitative evaluation of a transformative faculty development workshop. Perspect Med Educ. 2021 Oct 25. Epub ahead of print.

背景:ファカルティ・ディベロップメント(FD)は、参加者の持続的な行動変容を促す活動としては、あまり知られていない。本質的研究では、変容的学習論 (transformative learning (TL) theory)に基づくFDワークショップの中長期的な影響を評価した。その目的は、FDのどの側面が医療従事者 (HP)に効果的な教育・学習の実践を促すのかを明らかにすることであった。

方法:ワークショップ開催から7~30カ月後の2020年1~7月に、17名の参加者にインタビューを行った。合目的的サンプリング戦略を用いてデータを収集し、省察的テーマ分析を用いて分析を行った。

結果:「教育実践の視点の変化」「現在の実践の再確認」「教育者としての自覚」「HPの複数の実践共同体 (CoP)を受け入れるFDの重要性」という4つのテーマが確認された。また、ワークショップでは、批判的な議論や考察を行うことで、参加者は新たな知識を得て、教育に対する理解を深めることができた。TLは、参加者がHPのアイデンティティに加えて、すでに教育者としてのアイデンティティを持っている場合に起こりやすかった。また、職場のCoPが、HPの教育者としての成長に影響を与えるサポートの種類とレベルを決定していた。

結論:HPが効果的な教育・学習方法を採用するきっかけとなったFDの側面には、批判的な議論や反省を促す取り組みが含まれていた。職場の教育者のCoPによってHPが強い教育者としてのアイデンティティを持つことで、TLへの準備が促進される。今後の研究では、職場の教育者のCoPを強化することで、ワークショップ後にHPの行動を持続的に変化させることができるかどうかを検討することができる。そのためには、同じFDプログラムに異なる分野のHPを共同で派遣することが考えられる。