医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Prescribing in a pediatric hospital setting - Lost in translation? (Patient Educ Couns 2021)

Al Khayrallah Z, Al-Saeedy Z, Medriano RAA, Lee K, Sommerfield A, Sommerfield D, Ware B, Huppatz D, Campbell A, Lim LY, von Ungern-Sternberg BS. Prescribing in a pediatric hospital setting - Lost in translation? Patient Educ Couns. 2021 Oct 13:S0738-3991(21)00669-8. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、一般的な小児科処方箋のラベルに記載されている指示事項に対する保護者の理解度を調べ、ラベルの解釈に影響を与える要因と障壁を明らかにすることである。

方法:オーストラリアの三次小児科単施設の術後病棟に入院している親20名を対象とした前向き質的記述研究(2020年7月~8月)。

結果:インタビュー記録の帰納的分析により、4つの重要なテーマが浮かびあがった。1) 食事の有無や治療期間などの具体的な指示を加えることは有益であると考えられた。 2) 投与間隔や時間を明確に表現することは、より解釈しやすくなる。 3) よりシンプルで一般的な用語を使用することは、指示の理解を深めることにつながる。 4) 複数のステップの指示(例:テーパリング・レジメン)を、よりシンプルで整理された方法で提示することは、enablerとして認識され、混乱を軽減すると考えられた。

結論:小児医療用医薬品の添付文書の表現や表示方法の違いにより、保護者の解釈は様々であった。それゆえ、処方薬のアドバイスラベルの表現を標準化するためのガイドラインが必要である。本研究で得られた結果は、この目標を達成するために利用することができる。