医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Positive effects of lumbar puncture simulation training for medical students in clinical practice (BMC Med Educ 2021)

Gaubert S, Blet A, Dib F, Ceccaldi PF, Brock T, Calixte M, De Macédo L, Dujardin T, Jean-Louis L, Leghima D, Mouyal S, Tordjman DD, Plaisance P, Roos C, Remini SA, Roux D, Paquet C. Positive effects of lumbar puncture simulation training for medical students in clinical practice. BMC Med Educ. 2021;21:18.

背景:腰椎穿刺 (LP)はどの医師でも行いうる、侵襲的医学的処置である。シミュレーションベースのトレーニングがこれまで開発されてきたが、しかし、理論的知識や、シミュレーションベースのトレーニングの効果についての評価は、これまで現実においては行われてこなかった。本研究の目的は、LPトレーニングが理論的知識の改善へ与える影響や、臨床現場でのLPの実践について評価することである。

方法:医学生のトレーニング前後で、理論的知識と自信レベルを評価した。6ヶ月後に、シミュレーショントレーニングの影響を、医学生が入院患者に対して初めて行ったLPの成功率を評価し、トレーニングなしの医学生の結果と比較した。

結果:115人の医学生に対してシミュレーショントレーニングを行った後、医学生の理論的知識と自信レベルは、有意に改善した (p < 0.0001)。41人の医学生の現実での評価では、初回LPの成功率は、シミュレーション群の方が、コントロール群よりも高かった (67% vs 14%, p = 0.0025)。技術的補助もまた、LPシミュレーション群の方が、必要とする頻度がより少なかった (19% vs 57%, p = 0.017)。この教育研究に参加した医学生の割合は低かった。

結論:シミュレーションベース教育は、医学生の理論的・実践的知識を改善するのに効果的な方法であった。このアプローチが他の手技に応用できるかどうかについては、さらなる研究が必要である。本研究への参加率が低かったことについては、学生が教育研究に参加することに慣れていないこと、日常の臨床現場での評価が複雑であることが原因である。