医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

More Than Maintaining Competence: A Qualitative Study of How Physicians Conceptualize and Engage in Lifelong Learning (Perspect Med Educ 2024)

O'Brien BC, Collins S, Haddock LM, Sani S, Rivera JA. More Than Maintaining Competence: A Qualitative Study of How Physicians Conceptualize and Engage in Lifelong Learning. Perspect Med Educ. 2024;13:380-391.

背景:医師には生涯学習に従事する専門職としての責任がある。この生涯学習の一部は、免許や資格を維持するために必要である。しかし、この概念化は、質の高い患者ケアを確保するために医師が取り組む必要のある内容領域や学習プロセスのごく一部を捉えたものに過ぎない。さらに、規制要件や専門職としての義務以上の目的が、医師の生涯学習を推進している可能性が高いが、これらの目的については調査されていない。質の高い患者ケアにとって生涯学習が重要であることを踏まえ、本研究では医師が生涯学習をどのように概念化し、取り組んでいるかを調査した。

方法:解釈主義的アプローチによる質的インタビュー研究を実施した。2019年に、ある医療機関から34人のacademic physiciansを募集した。データを分析し、生涯学習の目的、内容領域、プロセスの概念化と実際の生涯学習の実践に関するテーマを明らかにした。

結果:生涯学習に関する参加者の説明や事例を、3つの目的、すなわち、能力の維持、自己成長と充実感の支援、専門家としての責務の遂行に役立つものと解釈した。参加者の生涯学習に関する話題の多くは、医学的知識や臨床・手順のスキルを常に最新のものに保つことに集中していたが、コミュニケーション、リーダーシップ、チームワークを向上させるための努力についても言及した者がいた。参加者は、文脈的、社会的、個人的なプロセスを通して生涯学習に取り組んでいた。

結論:academic physiciansが生涯学習に取り組む理由は、能力の維持にとどまらない。医学的知識と臨床・手技が最も注目されているが、他の分野も重要であると認識されている。我々の知見は、医療実践の全領域にまたがる生涯学習への、より広範で包括的なアプローチの機会を強調している。