医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The effects of gender discrimination on medical students' choice of specialty for their (junior) residency - a survey among medical students in Germany (BMC Med Educ 2024)

Stock J, Kaifie A. The effects of gender discrimination on medical students' choice of specialty for their (junior) residency - a survey among medical students in Germany. BMC Med Educ. 2024;24:601.

背景:ジェンダー差別は、さまざまな場面で社会に影響を与えていることが知られている。医学教育も例外ではない。本研究では、性差別が医学生と彼らの(若手)研修専門医の選択に及ぼす影響に焦点を当てる。

方法:オンライン・アンケートを作成し、ドイツの40の医学部に配布した。調査対象は5年生と6年生の医学生であった。

結果:調査対象者は31大学の学生759名。女子医学生は、男子医学生に比べて有意に多くの性差別を経験していた(f = 487, 87.9% vs. m = 76, 45.8%, p < 0.0001)。性差別が最も多く報告された専門分野は家庭医療(f = 180, 42.9 vs. m = 15, 23.8%, p < 0.05)、次いで外科(f = 369, 87.4% vs. m = 44, 69.8%, p < 0. 05), 内科(f = 282, 67.3% vs. m = 37, 58.7%, ns)、整形外科/傷害外科(f = 270, 65.1% vs. m = 32, 50.8%, p < 0.05)、婦人科(女性, f=142, 34.1% vs. m = 34, 54.0%, p < 0.05)と続いた。婦人科は、女性より男性の方が差別を経験した唯一の専門分野であった。選択した専門分野を変更したことのある学生(f = 346 (73.3%) m = 95 (72%))のうち、専門分野を選択した主な3つの理由の1つが性差別であると答えた学生は、男性より女性の方が有意に多かった(f = 42, 12.1% vs. m = 1, 1.1%, p < 0.05)。さらに、53人の学生(f = 50 (10.6%) m = 3 (2.3%))が、男女差別のために最初から専門を除外したと回答した。

結論:ドイツの医学生は性差別を頻繁に経験している。それは専門医の選択に直接影響している。われわれのデータは、特定の専門分野が一方の性にとってのみ魅力的であることを示唆する根本的な問題を示唆している。