Dewi SP, Wilson A, Duvivier R, Kelly B, Gilligan C. Do the teaching, practice and assessment of clinical communication skills align? BMC Med Educ. 2024;24:609.
背景:教室で学んだコミュニケーションスキルの指導は、臨床現場で適用される評価方法には容易に移行できないことが多い。異なる学習環境における学生のコミュニケーションスキルを客観的に評価するために、観察研究を実施した。この研究では、教室、臨床、評価の各場面で学生がどの程度コミュニケーションスキルを発揮しているかを調査した。
方法:5年間の医学プログラムの4年次における学生を観察・評価するために、混合法による研究を実施した。参加者は、構造化された教室での「相互作用スキル」セッション、実際の患者との臨床面談、コミュニケーションスキルを問うOSCEステーションでビデオ録画された。the Calgary Cambridge Observational Guidesを用いて、様々な場面で学生を評価した。
結果:本研究では28名の学生を観察し、その結果、教室では学生は幅広いコミュニケーション・スキルを実践することができたが、対照的に臨床環境では、情報収集と患者との関係構築が患者との出会いの中心となることが明らかになった。OSCEでは、限られた時間とプレッシャーのかかるシナリオのため、学生は情報収集や説明のみに焦点を当てた課題の完了を急ぐことになり、患者とのラポール構築の機会が減少した。
結論:これらの調査結果は、学習環境を超えて練習されるスキルの間に生じる可能性のある整合性の悪さを示している。異なる学習環境におけるコミュニケーションスキルの効果的な教育・学習に対する支援と障壁を理解するために、長期にわたる学生のスキルの発達と応用を調査するためのさらなる研究が必要である。