医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Epidemics and the healthcare professional's duty to care: Students' attitudes about work requirements before and during Covid-19 (2017-2021) (Med Educ 2023)

Kaldjian AM, Shinkunas L, Peter TK, Kaldjian LC. Epidemics and the healthcare professional's duty to care: Students' attitudes about work requirements before and during Covid-19 (2017-2021). Med Educ. 2023 Dec 4. Epub ahead of print.

背景:COVID-19パンデミックは、専門職の注意義務に関する議論に新たな章を加えた。COVID-19がこの義務に対する医学生の倫理的態度をどのように変化させたかを理解するために、我々は、仮想的な伝染病流行時に医療従事者に期待される業務要件に焦点を当てた年間教育演習を修了した1年生が、流行前と流行中に書いた方針を分析した。

方法:反復横断的デザインの中で、5年間(2017~2021年)に書かれた方針について、総括的内容分析のための教育演習の8つの質問に基づいたコードブックを用いてコンセンサスコーディングを行った。頻度から総括的な結果が得られ、年度間の比較にはフィッシャーの正確検定を用いた。

結果:2017年から2021年にかけて、小グループで活動する1年生884人を代表する142の文書化された方針を分析した。注意義務に対する学生のコミットメントはCOVID-19パンデミック期間中も安定していたが、パンデミック期間中、学生は注意義務の例外(病状を有する医療従事者や家人の健康への懸念など)を支持する傾向が強く、安全な労働条件を提供することを機関に期待する傾向が強かった。学生の方針を支える倫理的価値観は、パンデミック前とパンデミック中でほぼ一貫しており、最も一般的だったのは、受益、正義、配慮義務、非利益、有用性であった。

結論:我々の結果から、COVID-19パンデミックにおいても、学生の注意義務に対する支持は強いままであったことが示唆された。また、医療従事者とその家族のニーズを反映するために、この義務の例外を支持する学生や、安全な労働条件を提供することを医療機関に期待する学生がいることもわかった。これらの知見は、倫理教育や将来のパンデミック対策に役立てることができる。