医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Exploring the 'January effect' at a university hospital in Pakistan: a retrospective cohort study investigating the impact of trainee turnover on patient care quality outcomes (BMC Med Educ 2023)

Riaz Q, Mitha R, Shamim MS, Virani QU, Belgaumi A, Khan MR, Roshan R, Zahid N, Haider A. Exploring the 'January effect' at a university hospital in Pakistan: a retrospective cohort study investigating the impact of trainee turnover on patient care quality outcomes. BMC Med Educ. 2023;23:770.

背景:研修生の入れ替わり時期、すなわち新しい研修生やハウススタッフの導入や臨床チームの交代に伴い、教育病院の罹患率や死亡率が上昇する可能性があるという報告がある。発表された文献では、このテーマに関する報告はまちまちであり、再現性のある観察結果は得られていない。本研究は、パキスタンにおけるこのような現象(1月効果)の有無を調査するために行われた。

方法:本研究は、パキスタンのカラチにあるアガ・カーン大学病院で行われたレトロスペクティブ・コホート研究である。これらの転帰に関連する全年齢層の全患者の5年間(2013~2018年)の記録を検索し、特別にデザインした質問票に記録した。患者ケアの指標としてさまざまな転帰指標を用い、新規導入時のこれらの転帰の変化と1月効果の可能性を関連づけた。

結果:5年間の研究期間中、1,100人以上の新規研修生が卒後医学教育プログラムに参加し(年平均237人)、22,000人以上の入院患者を受け入れた(年平均45,469人)。手術部位感染症、投薬エラー、センチネルイベント、患者からの苦情、副作用の頻度にいくつかのパターンが観察された。しかし、これらは一貫した再現性がなく、研修生の入れ替わりに直接起因するものではなかった。その他の指標はすべてパターンを示さず、結論は出ないと考えられた。重複の影響は観察されなかった。

結論:患者ケアの質に関する指標に一貫性がないことは、本研究における1月効果の存在を支持するものではない。本研究の結果を確立するために、さらなる研究を行うことが推奨される。