医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Connectivity is the key to longer rural placement: Retaining students on rural longitudinal integrated clerkships (Med Teach 2023)

Carrigan B, Bass L, Pinidiyapathirage J, Walters S, Woodall H, Brumpton K. Connectivity is the key to longer rural placement: Retaining students on rural longitudinal integrated clerkships. Med Teach. 2023 Aug 9:1-7. Epub ahead of print.

背景:地方での医療従事者の確保と定着は世界的な課題である。地方の縦断的統合クラークシップ(LIC)はこの問題に対する革新的な解決策であり、地方の労働力を増加させることが知られている。この関連性は、地方での実習期間が長くなるほど顕著になる。本研究では、地方のLICにおける定着促進要因を検討する。

方法:オーストラリア、クイーンズランド州、グリフィス大学の地方のLICに在籍する学生コホートを対象とした、2段階逐次デザインの質的研究。第I相は自由形式の質問紙調査、第II相は同じコホートからのフォローアップ・フォーカス・グループである。データは文字起こしされ、顕著なテーマを特定するために、反復的な6段階のテーマ分析プロセスを用いて分析された。

結果:24人の学生に参加を呼びかけ、そのうち8人が第I相に、13人が第II相に参加した。参加者は、現在の実践、将来の実践(当面のインターンシップとキャリアの意向)、社会的ネットワークという3つの広いテーマにおいて、つながり (connectivity)が定着の原動力になっていると述べた。参加者からは、同僚主導の解決策や大都市病院での短期ローテーションなど、つながりを増やすための提案も出された。

結論:地方での縦断的統合クラークシップにおける定着の鍵はつながりである。現在の実習、将来の実習、社会的ネットワークとのつながりを強化するプログラムは、地方の医療プログラムにおける定着率を高めるであろう。