医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Rural longitudinal integrated clerkships and medical workforce outcomes: A scoping review (Med Teach 2023)

Beattie J, Binder M, Fuller L. Rural longitudinal integrated clerkships and medical workforce outcomes: A scoping review. Med Teach. 2023 Sep 28:1-11. Epub ahead of print.

背景:国際的に、医療従事者は地理的・専門的偏在に悩まされている。縦断的統合クラークシップ(LIC)のような地方の医学教育の縦断的モデルは、この問題を是正するために採用されている戦略の一つである。本研究の目的は、地方におけるLIC修了者の医療従事者としての転帰に関するエビデンスを整理・統合し、今後の研究に役立てるために文献のギャップを明らかにすることである。

方法:このレビューはArkseyとO'Malleyの方法論的ステップに従った。検索したデータベースは、Medline、CINAHL Complete(EBSCOhost)、Scopus、Embase(Elsevier)、ISI Web of Scienceである。

結果:合計9045件の重複のない論文が検索され、112件がフルレビューを受け、25件が組み入れ基準を満たした。研究は一般的にコホートベースであり(84%)、データベース追跡とデータリンケージによってデータが収集されていた(52%)。(i)全体的な地理的労働力アウトカム、(ii)LIC以外での医学研修の影響、(iii)地域への残留と地方度、(iv)専門医の選択と地方度、(v)選択と嗜好性、の5つのテーマが研究を要約するために特定された。

結論:地方のLIC卒業生の労働力アウトカムに関するエビデンスの統合は、今後の地方の医療労働力計画と研究の方向性を示すものである。地方のLIC卒業生は、他の研修経路の卒業生と比較して、地方やプライマリ・ケアの専門分野で働く傾向が高いことが明らかになったが、選抜や研修の要素を戦略的に調整することで、この傾向がさらに高まることを示唆するエビデンスがある。