医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Programs to encourage working as a general practitioner in rural areas: why do medical students not want to participate? A cross-sectional study (BMC Med Educ 2022)

Sapoutzis N, Schneider A, Brandhuber T, Berberat PO, Wijnen-Meijer M. Programs to encourage working as a general practitioner in rural areas: why do medical students not want to participate? A cross-sectional study. BMC Med Educ. 2022;22:622.

背景:多くの国で、地方でgeneral practitionersとして働くことを希望する学生が少ない。この問題を解決するために、いくつかの、時には課外授業的なプログラムが開発されてきた。これらのプログラムの多くは継続性を重視しており、学生はクラークシップを修了することで地方に長期滞在することになる。これらのプログラムの効果はポジティブなものであるが、学生の参加意欲を高めることが困難な場合も多い。本研究の目的は、学生がこれらのプログラムに参加しないことを選択する理由を洞察することである。

方法:ドイツのTechnical University of Munichの臨床段階にある医学生を対象に質問紙調査を実施した。まず、バイエルン州の地方におけるgeneral practitioners不足を解消することを目的としたプログラムについて、積極的に情報提供を行ったかどうかを尋ねた。さらに、このプログラムに参加しない理由に焦点を当てたアンケートを実施した。

結果:3~6年生の442名の回答から、プログラムに参加しない理由として最も多く選ばれたのは、「他の学問分野との融合」で61.0%、次いで「長期的なコミットメントができない」(56.1%)であることが明らかになった。3位は「他地域との個人的なつながりがある」で30.5%である。オープンコメントでも、同じような理由が見受けられ、あまり早くから特定の方向性にコミットしたくないという学生が多いようであった。また、このプログラムが提供される地域が限定されていることも、学生にとって大きな問題であるようだ。

結論:地方でgeneral practitionersとして働くための準備と動機付けを行うプログラムを提供することは、将来のgeneral practitionersを増やすことに貢献する。そのようなプログラムへの参加を促すには、学生の動機を考慮することが重要である。general practiceに興味を持つかもしれない学生の多くは、早い段階で特定の専門分野や地域にコミットしたくないという理由から、このようなプログラムへの参加を選択しない。このような洞察に基づき、プログラムを設計・実施することが重要である。