医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Clinician educators' conceptions of assessment in medical education (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Sims DA, Cilliers FJ. Clinician educators' conceptions of assessment in medical education. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Jan 20. Epub ahead of print.

背景:優れた評価を追求するうえで、評価を設計・実施する臨床医-教育者は極めて重要な存在である。大学が運営する免許試験における彼らの評価実践が学生の学習に与える影響は、将来の患者ケアに直接影響する。教育実践は教育概念と並行して行われることが示されているが、医学教育における評価概念についてはほとんど分かっていないため、評価実践と評価概念が同じであるかどうかは分からない。臨床医-教育者の評価に対する概念を探るため、現象学的研究を行った。

方法:現象学では、ある現象を理解するための質的に異なる方法である「概念」を探求する。データ分析により、単純なものからより複雑なものまで、階層的に包括された理解のカテゴリーと、各カテゴリーや概念を区別する次元が明らかにされた。

結果:南部の3つの多様な環境における31人のクラークシップ招集者にインタビューを行い、3サイクルの反復的なデータ収集と分析を行った。評価に関する4つの概念が特定された:受動的操作者、覚醒する探究者、能動的所有者、学者的評価者。それぞれの概念を説明し区別するために、評価の目的、時間的視点、役割と責任、説明責任、再帰性、感情的価値の6つの側面が解明された。さらに、概念の進歩的な性質を追跡していると思われる3つの特徴、すなわち、プロフェッショナル・アイデンティティ、評価リテラシー、自己効力感を特定した。

結論:これらの概念は、異なる教育レベル、学問分野、文脈において、これまで説明されてきた概念を包含・拡張しており、他の環境にも適用可能であることが示唆された。また、概念と実践の間に何らかの関係があることを示す証拠があり、これらの概念の階層的な性質と合わせて、FDにおいて概念を対象とすることが、評価の実践を強化する効果的なアプローチである可能性が示唆された。