Chen CT, Huang AYQ, Hou PH, Lin JY, Chen HH, Huang SS, Yang SJH. Exploring the significance of medical humanities in shaping internship performance: insights from curriculum categories. Med Educ Online. 2025;30:2444282.
背景:医療人文科学(MH)カリキュラムは、将来の医師に不可欠な資質を育むために、人文科学の分野を医学教育に統合するものである。しかし、形成期の研修段階における臨床能力に対するMHの影響については、まだ十分に研究されていない。本研究では、MHカリキュラムがインターンシップの成績に与える影響を明らかにすることを目的とした。
方法:8年間の入学コホートにわたる1364人の医学生の学業成績を分析した。基礎科学、臨床技能、MH、およびインターンシップのローテーションにおける成績を調査し、MHカリキュラムのサブグループ分析も行った。インターンシップの成績を予測するために、10倍交差検証機械学習モデル(サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト)を実施した。さらに、インターンシップの成績に対するMHの独立した影響を把握するために、重回帰分析を行った。
結果:機械学習モデルにおいて、MHはインターンシップの成績を予測するうえで重要な役割を果たしていることが示された。MHの変数を除外すると、予測精度が大幅に低下した(例えば、ロジスティック回帰分析では曲線下面積(AUC)が0.781から0.742に低下)。多変量回帰分析により、他の科目の成績を調整したうえで、MHがインターンシップの成績に最も高いオッズ比(OR:1.29、p < 0.0001)をもたらすことが明らかになった。MHは、ステップワイズ回帰分析における主要変数として、インターンシップの成績のばらつきの29.49%を説明した。MHカリキュラムのサブグループ分析では、医療社会学および文化研究、ならびにコミュニケーションスキルおよび対人関係が、ロジスティック回帰分析においてそれぞれAUC値0.710および0.705と際立っていた。
結論:MHは、基礎医学を上回る形で、形成期のインターン研修中の臨床能力との最も強い予測的関連性が見られた。 熟練した思いやりのある医師を育成するためには、医療カリキュラムに人文科学を統合することがより優先されるべきである。 今後の研究では、人文科学への取り組みの長期的な影響を調査すべきである。