医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A systematic review of the impact of artificial intelligence on educational outcomes in health professions education (BMC Med Educ 2025)

Feigerlova E, Hani H, Hothersall-Davies E. A systematic review of the impact of artificial intelligence on educational outcomes in health professions education. BMC Med Educ. 2025;:129.

背景:人工知能(AI)は、医療専門職の教育や評価において様々な応用が期待されているが、AIを用いた教育戦略が学習成果に与える測定可能な教育的影響は体系的に評価されていない。

方法:電子データベース(CINAHL Plus、EMBASE、Proquest、Pubmed、Cochrane Library、Web of Science)を用いて系統的な文献検索を行い、2024年10月1日までに発表された、医療専門職の評価および/または訓練におけるAIを用いたツール/介入の教育成果への影響を分析した研究を特定した。本分析では、システマティックレビューのためのPRISMA2020声明と、エビデンス統合のための医療教育における報告の構造化アプローチに従った。

結果:最終解析には12件の研究が含まれた。すべて単一施設で、サンプルサイズは4~180人であった。3件の研究はランダム化比較試験で、7件は準実験的デザインであった。2件の研究は観察研究であった。研究のデザインは不均一であった。交絡変数はコントロールされていなかった。いずれの研究も、学習目標や達成すべきコンピテンシーについての記述はなかった。3つの研究は、AIを活用した教育戦略の開発において学習理論を適用した。学習環境の信憑性の分析を報告した研究は1件であった。フィードバック活動が学習成果に与える影響に関する情報を提供した研究はなかった。すべての研究は、カークパトリックの第2レベルに相当し、技術的スキルや定量化可能な知識を評価していた。職場での学習者の行動など、より複雑な課題を評価した研究はなかった。トレーニングのデータセット著作権に関する情報は不十分であった。

結論:分析の結果、医療専門職教育におけるAIを活用した介入の測定可能な教育成果に関する現在のエビデンスは乏しいことが示された。厳密な方法論に基づいたさらなる研究が必要である。また本研究は、AIを用いた教育における研究の質を評価するためのわかりやすい指針がないことを明らかにし、考慮すべき一連の基準を提案している。