医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical learner perspectives on elements of an educational rural generalist pathway: survey outcomes (BMC Med Educ 2024)

Orrantia E, Cousins M, Nutbrown L. Medical learner perspectives on elements of an educational rural generalist pathway: survey outcomes. BMC Med Educ. 2024;24:1195.

背景:The Northern Ontario School of Medicine University (NOSM U) は、その社会的説明責任の使命である、オンタリオ州北部の農村部における保健医療人材の危機への対応に挑戦し続けている。その新たな教育構想であるRural Generalist Pathway(RGP)は、農村部での診療に特化した家庭医を卒業させることを目的としている。本研究は、この教育パスウェイで検討されている様々な要素について、NOSM Uの学習者の見解を引き出すものである。

方法:NOSM Uの学部生と家庭医療レジデントという2つの学習者グループそれぞれを対象に、混合法の調査票を作成した。量的データは度数とパーセンテージで分析し、質的データはテーマ分析を行った。

結果:学部生の回答率は24.6%、レジデントの回答率は37.9%であり、学部生は農村部での臨床ローテーションを農村医療における最も貴重な経験と考えていることがわかった。調査結果の中で、医学生とレジデントの大多数(それぞれ87.3%と87.9%)が、レジデントの家族のウェルビーイングとコミュニティへの統合に対するサポートが、RGPを目指すうえで最も影響を与えそうなパスウェイの要素であることに同意した。農村で実践している医師によるメンターシップは、学部生の81%、卒後学習者の81.8%が、RGPの取得に影響を与えそうな要素として高く支持していた。

結論:RGPの開発に学習者の認識を取り入れることで、組織のリソースを集中させ、このパスウェイへの学習者の参加を強化し、北部オンタリオに貢献する農村部の家庭医をより多く輩出することができる。