医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Study demands and resources affect academic well-being and life satisfaction of undergraduate medical students in the Netherlands (Med Educ 2024)

Scheepers RA, Hilverda F, Vollmann M. Study demands and resources affect academic well-being and life satisfaction of undergraduate medical students in the Netherlands. Med Educ. 2024 Jun 11. Epub ahead of print.

背景:医学生は、高い学習要求のなかで学業上のウェルビーイングが低いと報告している。学業要求-資源理論では、高い学業要求と低い資源が関与する媒介過程が学業的ウェルビーイングを緩和し、その結果、全体的なウェルビーイング(すなわち生活満足度)の低下と関連することを概説している。さらに、学業的ウェルビーイングと生活満足は、学習要求と資源との相互作用(調整過程と呼ばれる)によっても影響を受ける。しかし、医学生ウェルビーイングを明らかにするこれらの媒介過程や調整過程については、まだ研究が必要である。そこで、本研究では、卒前位学生を対象に、学習要求や学習資源と生活満足度との関連における学業的ウェルビーイングの媒介的役割、および学業的ウェルビーイングと生活満足度との関連における学習要求や学習資源の調整的役割について検討した。

方法:この横断調査研究では、オランダの医学部の学部生372名が参加した。調査にはStudy Demands-Resources Scale(仕事量、成長機会、ピアサポート)に加え、学業上のウェルビーイングに関する質問票(学生のためのユトレヒトバーンアウト尺度(UUtrecht Burnout Scale for students and Utrecht Work Engagement Scale-Student Form)および全体的なウェルビーイングに関する質問票(生活満足度に関する単一項目)が含まれた。学習要求-資源理論に基づき、(中和)媒介分析を行った。

結果:成長機会は、学業上のバーンアウトの低下や学業への関与の高さを通じて、間接的に生活満足度の高さと関連することが媒介過程として見出された。さらに、仕事量は、より高い学業上のバーンアウトを通じて、より低い生活満足度と間接的に関連していた。この関連は、ピアサポートの認知が高いほど弱くなるように調整された。

結論:仕事量が多く、成長機会が限られていることは、学業におけるウェルビーイングや生活満足度が最適でないことと関連している。同世代の学生からサポートを受けることは、仕事量が学業上のバーンアウト、ひいては生活満足度に及ぼす好ましくない影響をわずかに緩衝する。医学生の学問的ウェルビーイングと生活満足を促進するために、大学は仕事量を減らし、支援的な学習環境を作り、成長の機会を提供することを検討できる。