Zhang X, Han G, Feng C, Xu Y, Gao L, Tan Z. The relationship between self-efficacy, learning burnout, willingness to fulfill the contract and empathy of rural-oriented tuition-waived medical students of China: a cross-sectional study. BMC Med Educ. 2025;25:53.
背景:rural-oriented tuition-waived medical students (RTMSs) の共感能力は、良好な医師と患者の関係の構築や、農村部の医療・保健サービスの質と密接な関係がある。本研究の目的は、自己効力感、学習のバーンアウト、契約履行の意欲、共感能力の関係を調査することだけでなく、学習のバーンアウトと共感能力、契約履行の意欲と共感能力の間の自己効力感の媒介的役割を調査することでもある。
方法:山東省の3つの医科大学の地方志向の学費免除の医学生495名を研究対象として選び、一般自己効力感尺度(GSES)、大学生の学習バーンアウト(LBUS)、契約履行意欲尺度、およびジェファーソン医師共感尺度学生版(JSPE-S)を用いて調査を行った。データの統計分析およびパス分析には、SPSS 25.0およびAMOS 24.0を使用した。
結果:地方志向の授業料免除の医学生が契約を履行しようとする意欲は、自己効力感(β = 0.11、P < 0.05)と共感(β = 0.27、P < 0.001)に直接的にプラスの影響を与え、学習のバーンアウト(β = -0.25、P < 0.001)に直接的にマイナスの影響を及ぼすことが明らかになった。学習のバーンアウトは自己効力感に有意な直接的な負の影響を与えている(β = -0.34、P < 0.001)。一方、自己効力感は共感に有意な直接的な正の影響を与えている(β = 0.22、P < 0.001)。学習のバーンアウトは共感に直接的な影響を与えていない(β = -0.09、P = 0.109)。自己効力感は、契約履行の意欲と共感の間には有意な媒介効果(95% CI: 0.02-0.41)があり、また学習によるバーンアウトと共感の間にも有意な媒介効果がある[95% CI: -0.41- (-0.11)]。学習によるバーンアウトは、契約履行の意欲と共感の間には媒介効果はない(95% CI: -0.02-0.42)。
結論:本研究では、学習のバーンアウトと契約履行の意欲が、地方出身の授業料免除の医学生の共感に影響を与える重要な要因であることが判明した。両者は自己効力感の媒介的役割を通じて共感に影響を与える可能性がある。これは、医学部の学生の共感性を向上させるための積極的な提案となり、総合診療医のサービス品質を継続的に改善し、最終的に質の高い農村医療・保健事業の実現を目指すうえで、非常に実用的な意義がある。また、共感性の介入策の策定に重要な理論的参考を提供し、地方志向の学費免除の医学生の研究の方向性を今後広げることにもなる。