医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Internal Medicine Resident Work Absence During the COVID-19 Pandemic at a Large Academic Medical Center in New York City (J Grad Med Educ 2020)

Merkin R, Kruger A, Bhardwaj G, Kajita GR, Shapiro L, Galen BT. Internal Medicine Resident Work Absence During the COVID-19 Pandemic at a Large Academic Medical Center in New York City. J Grad Med Educ. 2020;12:682-685.

背景:モンテフィオーレ医療センター (MMC)は、ニューヨーク市ブロンクスにある大規模な三次医療センターで、245人の内科residentが在籍している。2020年2月29日から、residentはCOVID-19様疾患 (CLI)に罹患し、欠勤を余儀なくされた。当初はpersonal protective equipment (PPE)の不足やSARS-CoV-2検査の遅れがあったが、それらは2020年3-4月にかけて徐々に改善された。本研究では、内科residentのCLI関連欠勤率と、COVID-19病院censusとの関係を経時的に評価した。

方法:2月29日から5月22日の間のresidentの欠勤についてのデータを、MMCのCOVID-19病院censusデータとともにレビューした。患者曝露がresidentのCLI発症率に与える影響を調べるため、COVID-19病院censusピークの前後の患者曝露日数 (patient exposure days=毎日の病院census×ピーク前後の日数)あたりのCLI平均発症率を比較した。

結果:内科residentの42% (103/245人)が欠勤し、875日の勤務日で欠席した。residentの欠勤のピーク時には、16% (38/245人)が病欠していた。residentの欠勤日数は中央値で7日 (IQR 6-9.5人)だった。PEDあたりのresidentの平均CLI発症率は、ピーク前と比較してピーク後の方が13.9倍低かった (p = 0.003)。

結論:ニューヨーク市でのCOVID-19 pandemic開始時に、この単一センター所属の内科residentの大部分が病期になった。しかし、COVID-19患者との曝露は継続しているにも関わらず、CLI発症率は時間経過とともに減少した。

個人的所感:危機のときこそこうやってデータをとってリサーチにするのが大事だよなぁ…と改めて感じさせられます。