医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The hidden curriculum of breaking bad news: Identification of three dimensions and four communication patterns (Patient Educ Couns 2023)

Karnieli-Miller O, Palombo M, Laor N. The hidden curriculum of breaking bad news: Identification of three dimensions and four communication patterns. Patient Educ Couns. 2023;114:107807.

背景:本研究の目的は、医師の悪い知らせを伝えるインタラクションの隠れたカリキュラムにおける学生の観察を探り、その中の次元とパターンを特定することである。

方法:医学部上級生が書いたクリニックでの悪い知らせとの遭遇に関する156の物語的記述を質的に分析した。

結果:分析の結果、「情報の提供」、「感情への対処」、「治療計画に関する議論」の3つの次元が確認された。これらの次元は異なる割合で観察され、4つのコミュニケーションパターンが確認された。半数は、治療計画の提示にのみ焦点を当てたものであった。そのなかで、情報の共有や感情への対処を怠りながら、突然にニュースが伝えられた。

結論:悪い知らせの伝達に関する主な文献が2つの側面に焦点を当てているのに比べ、本研究では、第3の顕著な側面、すなわち治療計画について議論することを明らかにした。隠れたカリキュラムの半数は、教えられたプロトコルと矛盾し、感情や情報にほとんど、あるいは全く注意を払わなかった。悪い知らせを伝えることを教える場合、生徒が観察する日常的な慣習に対処することが重要である。このような場面に遭遇した学生は、医師が一つの次元に依存することをベストプラクティスであると誤解する可能性がある。このような事態を緩和し、自分自身や他者が一つの次元に集中する傾向を認識するために、簡単な振り返りのプロンプトを提案する。