Herchline D, Cohen ME, Ambrose M, Hwang J, Kaminstein D, Kilberg M, Rosenblatt S, Ziemba J, Boyer D. Into the Unknown: Characterizing Fellow Uncertainty During the Transition to Unsupervised Practice. J Grad Med Educ. 2023;15:201-208.
背景:フェローが患者の診断や治療の過程で不確実性 (uncertainty)に直面し、それを管理できるようにすることは、医学教育において重要な課題となっている。しかし、同じフェローが専門職として成長する過程でどのように不確実性に立ち向かうかは、研修プログラムではあまり注目されていない。フェローがこのような移行期をどのように経験するかをよりよく理解することで、フェロー、研修プログラム、採用機関が移行期をより容易に乗り切れるようになる。本研究の目的は、米国のフェローが、監督なしの診療に移行する際にどのような不確実性を経験するかを探ることであった。
方法:構成主義的グラウンデッド・セオリーを用い、参加者に半構造化インタビューに参加してもらい、指導なし診療への移行をナビゲートする際の不確実性の経験について探索した。2020年9月から2021年3月にかけて、2つの大規模な学術機関のフェローシップ研修の最終年度にある18人の医師にインタビューを実施した。参加者は、成人および小児科のサブスペシャリティから募集した。データ分析は、帰納的コーディングアプローチを用いて実施した。
結果:移行過程における不確実性の経験は、個人的かつダイナミックなものであった。不確実性の主な原因は、臨床能力、雇用の見通し、キャリアビジョンなどであることが確認された。参加者は、不確実性を軽減するための複数の戦略について議論した。これには、構造化された段階的自律性、地域および地域外の専門家ネットワークの活用、確立されたプログラムや組織のサポートの活用などが含まれる。
結論:フェローが監督なし診療に移行する際の不確実性の経験は、個人的、文脈的、動的であり、いくつかの包括的なテーマが共有されている。