医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical imaging training with eye movement modeling examples: A randomized controlled study (Med Teach 2023)

Darici D, Masthoff M, Rischen R, Schmitz M, Ohlenburg H, Missler M. Medical imaging training with eye movement modeling examples: A randomized controlled study. Med Teach. 2023 Mar 21:1-7. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、専門家の目の動きを下敷きの超音波検査ビデオに重ねる超音波検査トレーニング(眼球運動モデリング例;EMMEs)が、従来の眼球運動なしの指示よりも学習者の成果につながるかどうかを明らかにすること。

方法:106名の医学部生を2つのグループにランダムに分け、EMMEグループの51名の学生は、タスクを実行する専門家の眼球運動と組み合わせた5分間の超音波検査ビデオを見た。コントロール群の55名の学生には、目の動きを伴わない同一のビデオを見せた。パフォーマンスと行動パラメーターは、ANOVAsを使用して介入前後で比較した。さらに、認知負荷、解剖学の予備知識についても調査した。

結果:トレーニング後、EMMEグループはコントロール群よりも、より多くの超音波解剖学的構造を正しく認識し、より速くタスクを完了した。この効果は、外来認知負荷の軽減によって部分的に媒介された。解剖学の予備知識が豊富な参加者は、EMMEトレーニングから最も多くの利益を得た。

結論:医学部学生の医学的解釈能力を育成するためには、専門家の眼球運動を表示することが効果的であるようである。眼球運動による練習は、認知的負荷を軽減し、学習者の予備知識の活性化を助けることが、一つの基礎的なメカニズムである可能性がある。