医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Social workers' perspectives about advance directives: A qualitative study (Patient Educ Couns 2023)

Nedjat-Haiem FR, Hirsch J, Currin-McCulloch J, Lundquist M. Social workers' perspectives about advance directives: A qualitative study. Patient Educ Couns. 2023;111:107691.

背景:本研究では、米国における事前指示書(ADs)の重要性と文書化の目的に関する医療ソーシャルワーカーの認識、およびADsとアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に関する対話に患者や家族を巻き込むことの利点に関する彼らの見解を調査する。

方法:様々な入院患者や外来患者の医療・ヘルスケアセッティングで医療現場で働くソーシャルワーカー142名を対象としたアンケート調査の自由記述回答を用いて質的調査を行った。参加者は、「事前指示書を文書化する目的は何ですか?」「なぜ事前指示書が重要だと思いますか?」「事前指示書について患者を教育することでどんな利益を経験しましたか?」という質問を受けた。テーマ分析により、ADを完成させるために患者をサポートする目的、重要性、利点に関するテーマを調べた。

結果:1)ADを文書化する目的、2)コミュニケーションの促進、3)プランの作成には関係構築が必要、4)ADを持つことで苦しみや不安が軽減される、の4テーマが浮かびあがった。

結論:ソーシャルワーカーは、ADの完成に向けた患者やその支援システムとの連携プロセスにおいて不可欠な、関係構築の専門性を有している。医療現場で働くソーシャルワーカーは、患者と家族にACP教育を提供し、患者のケアをサポートするために多職種連携を構築する。ソーシャルワーカーがケアの提供に付加価値を与え、コミュニケーションを改善し、AD完了に向けた支援を提供することは明らかである。