医学教育研究者・総合診療医のブログ

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All medical degrees are equal, but some are more equal than others: An analysis of medical degree classifications (Med Educ 2023)

Byrne MHV, Yale SE, Glasbey M, Revell E, Brown MEL. All medical degrees are equal, but some are more equal than others: An analysis of medical degree classifications. Med Educ. 2023 Jan 15. Epub ahead of print.

背景:評価における不公平は、到達度の差につながる可能性がある。"Honours"などのdegreeの区分は、卒業後に学生を差別化するために用いられる評価結果である。しかし、何をもってこれらのawardsとするかについては、標準化された基準はない。

方法:英国(UK)のすべてのメディカルスクールと連絡を取り、2019/2020年度以前の5年間に授与された区分、使用された基準、区分を受けた学生の割合に関するデータを収集した。

結果:英国の医学部全42校から回答があり、36大学が使用可能なデータを提供した。この36大学のうち、30大学(83%)が"Pass"以上のクラス分けを授与していた。"Pass"以上のクラス分けは、"Commendation", "Merit", "Distinction", and "Honours"の4つであることが確認された。16校(44%)の大学が 1 つ、14 校(39%)の大学が2つ以上の追加区分を設けていた。また、各大学で授与される基準には、かなりのばらつきがあった。例えば、45校のうち30校(67%)がすべての受験年度、9校(20%)が受験年度の組み合わせ、6校(13%) が最終年度のみであった。区分を行った30校のうち25校が、区分を受けた学生の割合のデータを提供しており、中央値では 15%の学生が何らかの区分を受けた(範囲 5.3%~38%)。また、各大学で授与された区分の割合には大きな幅があった(例:Honours、幅=3.1~24%)。

結論:用語、基準、授与される学生の割合など、英国の医学部学位区分の授与方法にはかなりのばらつきがあることが明らかになった。このことは、医学教育において、学位区分が不公平のもう一つの形態であることを浮き彫りにしている。階層的な学位授与の妥当性は十分に研究されていないため、国際的にその価値を評価する必要がある。