医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Pharmacists, nurses, and physicians' perspectives and use of formal and informal interpreters during medication management in the inpatient setting (Patient Educ Couns 2022)

Keller MS, Carrascoza-Bolanos J. Pharmacists, nurses, and physicians' perspectives and use of formal and informal interpreters during medication management in the inpatient setting. Patient Educ Couns. 2022 Dec 16:107607. Epub ahead of print.

背景:入院患者の服薬管理における言葉の壁は、入退院時の服薬調整時や入院中に発生することがある。入院患者の言語障壁と通訳の使用に関する臨床医の経験を理解することは、限定的英語能力(Limited English Proficient; LEP)患者の服薬管理を改善することを目的とした介入策に役立つ。我々の目的は、入院患者の服薬管理にまつわる言葉の壁に関する臨床医の経験を調査することである。

方法:三次医療施設に勤務するpharmacist technicians、pharmacists、看護師、医師を対象に半構造化面接を行った。データの収集と分析には、定比較法を用いた。

結果:14名の医療従事者にインタビューを行った。看護師と医師は、特に忙しいときや夜勤のときに、正式な通訳を使う時間がないことを認識していた。また、臨床医は、電話によるサービスよりもバーチャルや対面での通訳サービスを強く希望し、健康リテラシーの低い患者とのコミュニケーションの問題、通訳の質に関する懸念、翻訳資料の使用における一貫性のなさなどが強調された。

結論:すべてのシフトにおいて正式な通訳を確保し、資料を患者・介護者の言語に翻訳し、対面式・バーチャル式のサービスを利用することで、LEP患者に対するケアの質を向上させることができると考えられる。現在の法律では、通訳の利用は義務付けられているが、その費用については規定されていないため、最適な利用がなされていない。通訳サービスへの償還が行われれば、通訳の利用率が上がるかもしれない。