Botan V, Williams N, Law GR, Siriwardena AN. The effect of specific learning difficulties on GP written and clinical assessments. Med Educ. 2022 Dec 14. Epub ahead of print.
背景:医学生や医師の多くは特定の学習障害(specific learning difficulties; SpLDs)を抱えており、彼らのニーズに対応できなければ学業面で不利になる可能性がある。しかし、SpLDsが卒後の総合診療専門医養成課程における成績にどのような影響を与えるかについては、さまざまな免許審査においてevidenceが不足している。我々は、SpLDsを持つ医師が様々な免許試験でどのような成績を修めたかを調査することを目的とした。
方法:我々は、障害の問題は社会的なものであり、障害を持つ人々の人生の選択肢を制限する障壁に対処する必要があると主張する概念的枠組みとして、障害の社会モデルを採用した。2016年と2017年のMSRA(Multi-Specialty Assessment)の記録と、2021年までのAKT(Applied Knowledge Test)、CSA(Clinical Skills Assessment)、RCA(Recorded Consultation Assessment)、WPBA(Workplace Based Assessment)のアウトカムをリンクする縦断デザインを使用した。事前の到達度や人口統計を考慮した多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、SpLD医師が免許査定に合格する可能性を明らかにした。
結果:サンプルには2070人の医師が含まれ、214人(10.34%)がSpLDを宣言していた。SpLDを申告した受験者は、CSA(OR 0.43, 95% CI 0.26, 0.71, p = 0.001)の合格率が有意に低かったが、AKT (OR 0.96, 95% CI 0.44, 2.09, p = 0.913) やRCA (OR 0.81, 95% CI 0.35, 1.85, p = 0.615) は有意差がなかった。重要なことは、彼らがWPBAに困難を抱える可能性が有意に高いということであった(OR 0.28, 95% CI 0.20, 0.40, p < 0.001)。免許審査のサブドメインを見ると、SpLDの医師はCSA Interpersonal Skills(B = -0.70, 95% CI -1.2, -0.19, p = 0.007)とRCA Clinical Management Skills(B = -1.68, 95% CI -3.24, -0.13, p = 0.034)で有意に低い成績であった。
結論:SpLDsを持つ受験者は、免許試験の複数の領域で、また訓練中にも困難に遭遇している。臨床技能の応用試験や研修において、彼らのニーズに合わせたより多くの調整を行う必要がある。