Rietmeijer CBT, van Esch SCM, Blankenstein AH, van der Horst HE, Veen M, Scheele F, Teunissen PW. A phenomenology of direct observation in residency Is Miller's 'does' level observable? Med Educ. 2022 Dec 14. Epub ahead of print.
背景:直接観察(direct observation; DO)に関するガイドラインでは、DOはミラーの"does"レベル、すなわち学習者が臨床場面で自立して機能する能力の評価として提示されている。しかし、文献によると、レジデントは観察されると「不誠実な (inauthentically)」行動をとる可能性があることが示されている。この「観察者効果 (observer effect)」を最小限に抑えるために、学習者は「通常行うであろうこと」を行うよう奨励され、実際の仕事の行動に関するフィードバックを受けることができるようになる。DOを受けた患者の経験に関する最近の現象学的研究は、このアプローチに疑問を投げかけるもので、患者は観察する監督者の参加を必要とし、また必要とされた。ガイドラインでは監督者の存在を最小限にするよう勧告されているが、監督者の意図的な参加がDO状況におけるレジデントの経験にどのような影響を与えるかについては、十分な情報が得られていないのが現状である。そこで、我々は、レジデントがDOの場面で本質的に何を経験しているのかを調査した。
方法:我々は、6名のgeneral practiceレジデントを対象に、解釈的現象学的インタビュー調査を実施した。生きた身体、生きた空間、生きた時間、生きた関係という4つの現象学的レンズを用いて、データを収集し、分析した。レジデントの内省前の体験に共通する構造について明らかになったことを解釈し、オープンコードをグループ化した。
結果:レジデントは、観察する監督者を単に観察者や評価者としてだけでなく、先輩として経験した。また、先輩として、そして患者の身近なGPとして経験し、それが多くの付加的な相互作用につながった。監督者がいないように振る舞おうとすると、監督者がいることで状況が変化し、不安やハンディキャップを感じることがあった。
結論:我々の結果は、「観察者効果」がこれまで理解されていたよりもはるかに重要であることを示している。その結果、監督者がそこにいないかのように、ミラーの"does"レベルでレジデントの「本物の」行動を観察することは不可能であり、誤解を招く概念であると思われる。誤解を招くのは、レジデントを苛立たせ、監督者がDO状況において患者やレジデントのニーズを無視する原因となる可能性があるからである。我々は、一方的なDOは、作業と学習を共にするセッションにおける双方向のDOに置き換えた方が良いことを提案する。