医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Repetitions in online doctor-patient communication: Frequency, functions, and reasons (Patient Educ Couns 2022)

Zhang W, Zhou F, Fei Y. Repetitions in online doctor-patient communication: Frequency, functions, and reasons. Patient Educ Couns. 2022 Nov 14:107565. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、医師と患者のオンラインコミュニケーション(doctor-patient communication; DPC)における言語の繰り返しについて理解を深め、医師と患者が繰り返しを使用する理由を理解し、オンライン医療プラットフォームにおける現在の不備を改善することである。

方法:中国のオンライン医療相談プラットフォームChunyu Doctorにおいて、医師と患者の会話テキスト72セットの内容分析を行った。

結果:72セットのオンラインDPCでは、1412回の繰り返しが発生した。患者の自己反復が最も多く(30.7%)、患者の医師への反復は最も少なかった(17.1%)。医師は説明や肯定のために繰り返しを行った。患者は、強調、確認、順番待ちのために繰り返しを使用した。医師と患者の繰り返しの頻度は、主に個人的な要因に影響されていた。しかし、患者の繰り返しの頻度には、医師の次元の要因がより大きな影響を及ぼしていた。

結論:オンラインDPCにおける繰り返しの理由は、オフラインの場合と異なる。オンラインDPCは患者の主体性を高め、医師の権威を低下させる。しかし、オフラインの診察で生じたジェンダーステレオタイプの影響を受ける可能性がある。医師は依然として会話を支配しているが、患者の談話には十分に耳を傾けている。オンラインDPCは、新しい患者中心のヘルスケアパターンへの期待を徐々に満たそうとしている。この結果は、医療従事者やオンライン・ヘルスケア・プラットフォームの設計者に示唆を与えるものである。