医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How is modern bedside teaching structured? A video analysis of learning content, social and spatial structures (BMC Med Educ 2022)

Blaschke AL, Rubisch HPK, Schindler AK, Berberat PO, Gartmeier M. How is modern bedside teaching structured? A video analysis of learning content, social and spatial structures. BMC Med Educ. 2022;22:790.

背景:Bedside teaching (BST)は、伝統的な臨床教育の形態であり、必要不可欠である。しかし、様々な障害にさらされ、時代とともに変容してきた。ベッドサイドの時間が短縮されただけでなく、教示内容も多様化している。ベッドサイドの時間を有効に使い、BSTの現在のデザインを理解するために、我々はBSTがどのように実践されているかについてのエビデンスに基づく洞察をここに提供する。このことは、BSTの教育的デザインを改良するための基礎となるであろう。

方法:本研究では、BSTの学習内容と社会的・空間的構造との相互関係を調査する。この目的のために、合計36回のBSTセッションから約80時間のビデオ教材を経験的に分析し、良好な評価者間信頼性を得ることができた。

結果:BSTは平均125分で、そのほとんどが本会議に費やされ、患者のベッドサイドでの時間は3分の1以下であった。病歴聴取は主にベッドサイドで行われ、症例提示、臨床推論、理論的知識は主に患者から離れた場所で指導された。臨床検査は、病室と理論室で同程度に行われた。

結論:撮影されたBSTは純粋な「ベッドサイド」ではないにせよ、今回調査した教育形態は、卒前医学教育の典型的な例である。指導時間を最大限に確保するためには、ベッドサイドの他に適切な学習空間を設けるべきである。また、BSTに先立ち、臨床試験の大まかな流れを見直し、小グループや全体セッションの可能性を最大限に引き出すような社会構造を意識して決定する必要がある。