医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Teaching compassion for social accountability: A parallaxic investigation (Med Teach 2022)

Cheu HF, Sameshima P, Strasser R, Clithero-Eridon AR, Ross B, Cameron E, Preston R, Allison J, Hu C. Teaching compassion for social accountability: A parallaxic investigation. Med Teach. 2022 Oct 26:1-8. Epub ahead of print.

背景:我々の研究チームは、医学教育におけるsocial accountability (SA)を向上させる方法を調査するために設定された芸術総合学際研究において、現在のSA運動における思いやり (compassion)の新たな理解を確立している。本研究の目的は、思いやりとSAの共進化を探求することである。

方法:本研究では、オーストラリア、カナダ、アメリカの4つのメディカルスクールにおいて、SAに対する人々の認識を調査するために、芸術を統合したアプローチを用いた。各学校では、約25名の参加者がワークショップと詳細なインタビューに参加した。

結果:我々は、SAの研究から始め、質的データと研究チーム内の隔週ミーティングから、思いやりというトピックが浮かびあがった。データの内容分析と教育学的な議論から、SAの実践における思いやりの重要性を認識することができた。

結論:社会的に説明可能な医学教育システムにおいて、思いやりの育成は重要な役割を果たす必要がある。教育機関としてのメディカルスクールは、学生やコミュニティとのパートナーシップに関わる原動力として、思いやりをもって運営することができる。思いやりのない社会的説明責任はSAではない。思いやりは、共感 (sympathy)と配慮 (care)を伴うことによって、組織の方針を人間的にする。