Kukulski P, Schwartz A, Hirshfield LE, Ahn J, Carter K. Racial Bias on the Emergency Medicine Standardized Letter of Evaluation. J Grad Med Educ. 2022;14:542-548.
背景:レジデンシー応募書類の構成要素に関する研究では、人種的な偏りの証拠が示されている。Standardized Letter of Evaluation (SLOE)は救急医療(EM)レジデンシー応募のための評価尺度であり、より多くの専門医がナラティブ形式の推薦状の代わりにSLOEを使用することを選択するなか、標準化評価における偏りを理解することは不可欠である。本研究の目的は、underrepresented in medicine (UIM)志望者とnon-UIM志望者、白人志望者と非白人志望者の間でEM SLOEの順位に差があるかどうか、また、他の特性を考慮しても差があるかどうかを調べることである。
方法:サンプルは、2019年に調査機関のEMレジデントに応募した医学生から抽出した。米国医師免許試験ステップスコア、アルファ・オメガ・アルファのステータス、学校の種類(US MD、US DO、internation medical graduate)、医学生パフォーマンス評価クラスパーセンタイル、提携プログラム対訪問クラークシップSLOE、性別、人種・民族と性別の相互作用を制御し、複数のSLOEsを提出する学生を調整した後、順序回帰を用いて、UIM学生と非UIM学生、個々の人種・民族の学生と白人学生間でランキングを比較した。
結果:2019年の研究機関への志願者は1555名であり,1418名(91.2%)がSLOEを持ち,人種・民族を自認していた。出願者の属性を制御した後、非UIM学生はUIM学生よりも「仲間に対する順位」(OR 1.46、95%CI 1.03-2.07)、「成績」(OR 1.46、95%CI 1.05-2.04)で上位に位置する傾向が顕著であった。
結論:本学に提出されたEM SLOEを分析した結果、この標準化された評価ツールにおける人種的偏りが示され、それは他の成績予測因子で制御した後も持続していることが判明した。