医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The Impact of Virtual Interviewing During the COVID-19 Pandemic on the Residency Application Process: One Institution's Experience (Acad Med 2022)

Nilsen K, Walling A, Johnson M, Curran M, Irwin G, Meyer M, Unruh G. The Impact of Virtual Interviewing During the COVID-19 Pandemic on the Residency Application Process: One Institution's Experience. Acad Med. 2022;97:1546-1553.

背景:本研究の目的は、COVID-19パンデミック時の仮想面接がレジデント申請プロセスに与える影響を評価し、2020-2021年の申請サイクルにおける申請者のコストと面接に費やした時間を過年度と比較することである。

方法:カンザス大学医学部の4年生が全米レジデントマッチングプログラムマッチを通じて1年目レジデントのポジションに応募し、2015~2016年から2020~2021年の各応募サイクルにおいてランクリスト提出後に46項目の電子アンケートを実施した。著者らは、記述統計学とt検定を用いて、人口統計学の質問と、提出した応募書類の数、面接の申し出と完了、ランク付けされたプログラム、費用、面接に費やした時間に関する質問に対する回答を分析・比較した。また、テーマ分析を用いて、バーチャル面接の経験に関する回答者のナラティブ・コメントをコード化した。

結果:2015-2016年から2020-2021年にかけて、994人(1,190人中;83.5%)の回答者がアンケートに回答した。2019-2020年から2020-2021年にかけて、申請者一人あたりのレジデンシー申請の平均総費用は3,566ドル下がり(P < .001)、面接にかかる平均日数は13.3日減少した(P < .001)。同時に、申請者1人あたりの平均申請件数は3.4件減少し、申請者は同じ数の面接を受け、2.3件少ないプログラムにランク付けされたが、いずれも統計的に有意な差は見られなかった。2020-2021年の113人(79%)の回答者のナラティブ・コメントから、仮想面接に関連する4つのテーマ(時間とコストの利便性、プロセスのポジティブな側面、プロセスのネガティブな側面、プログラムの全体的な印象)が明らかになった。

結論:2020-2021年の出願サイクルにおける仮想面接は、例年と比較して、応募者のコストを約80%削減し、面接にかかる時間を約50%削減したが、応募数、面接完了数、プログラムの順位が大きく増加することはなかった。応募者は、仮想面接をポジティブに受け止めているが、懸念も挙げていた。