医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Anti-Indigenous bias of medical school applicants: a cross-sectional study (BMC Med Educ 2022)

Roach P, Hernandez S, Carbert A, Jalil R, Panaccione R, Ruzycki SM. Anti-Indigenous bias of medical school applicants: a cross-sectional study. BMC Med Educ. 2022;22:683.

背景:カナダの医療界では、構造的・対人的な反先住民の人種差別が蔓延している。The Truth and Reconciliation Commissionは、メディカルスクールに対し、学生の反先住民偏見に対処するよう求めている。我々は、メディカルスクール志願者における対人的な反先住民の偏見のprevalenceを測定し、メディカルスクールの選抜過程がどのように偏見の強い学生を選別し、あるいは排除しているかを理解することを目的とした。

方法:2020-2021年の入試サイクルで一つの大学に出願するすべての志願者を対象とした。明示的な反先住民バイアスは、2つのスライド式温度計を用いて測定された。1つ目は、参加者が先住民についてどのように感じているかを尋ね(「冷たい/好ましくない」を示す0から「温かい/好ましい」を示す100まで)、2つ目は、参加者が白人(スコア100)か先住民(スコア0)のどちらを好むかを尋ねた。次に、参加者は、ヨーロッパ人と先住民のどちらの顔を好むかを調べるimplicit association testを行った(負の時間潜時は、ヨーロッパ人の顔を好むことを示唆する)。明示的・暗黙的な先住民への偏見は、応募者の属性(性別、人種的アイデンティティを含む)、応募状況(面接を申し出た、入学を申し出た、ポジションを得た)、医学部および数学部の大学生と比較された。

結果:応募者は595名(回答率32.4%、シスジェンダー女性64.2%、白人55.3%)であった。応募者は、先住民に対して暖かみを感じ(中央値96(IQR80-100))、白人や先住民に対する明確な選好はなく(中央値50(IQR37-55))、ヨーロッパ人の顔に対する暗黙の選好は軽度(- 0.22 ms(IQR -0.54, 0.08 ms))であった。明示的・暗黙的バイアスの測定と関連する人口統計学的差異があった。入学を許可された志願者は、許可されなかった志願者と比較して、先住民に対してより温かい感情を持ち、先住民に対してより大きな選好を有していた。

結論:メディカルスクール志願者は、対人関係における明示的・暗黙的な反先住民バイアスを強く持っていなかった。強い偏見を持つoutlier参加者は、面接やメディカルスクール入学を勧められなかった。