医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Empowering family carers of people with multimorbidity as partners in chronic health care: Insights from health professionals (Patient Educ Couns 2022)

Giunta S, Butow P, Juraskova I, Sharpe L, Ferguson E, Laidsaar-Powell R. Empowering family carers of people with multimorbidity as partners in chronic health care: Insights from health professionals. Patient Educ Couns. 2022 Aug 30:S0738-3991(22)00400-1. doi: 10.1016/j.pec.2022.08.019. Epub ahead of print.

背景:multimorbidityを抱えて生きる人々は、しばしば非公式の家族介護者の支援に頼っているが、multimorbidityの人々 (PwM)の介護者が医療従事者 (HPs)や医療制度と関わる際には、しばしば課題が発生する。本研究は、医療従事者の視点から、PwMの介護者と関わる際の経験や課題を明らかにすることを目的とした。

方法:様々な専門分野の医療従事者21名(医師11名、看護師5名、医療従事者5名)が半構造化面接に参加した。インタビューは書き起こし、テーマ分析により質的に分析された。

結果:5つのテーマが確認された:介護者の関与がmultimorbidityの管理を容易にする、介護者に対するHPsの責任に関する見解の違い、multimorbidityがHPsの管理を難しくする、PwMの介護者を支援する戦略、multimorbidityは複雑さの一面。

結論:HPsは、PwMの介護者のユニークなニーズを認識しているが、これらのニーズに対応し、一般的に見過ごされがちなこのグループを支援することは困難であると認識している。本研究でHPsが明らかにしたPwMの介護者の満たされていないニーズは、HPの教育や研修、PwMの介護者が支援サービスを利用するための適切な紹介経路など、今後の改善や介入の道筋を示唆している。これらの知見を支えるのは、医療における家族介護者の重要な仕事に対する認識と敬意を深める必要性である。